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指圧とは、読んで字の如く、生体を指で圧(お)して身体の調子を整える治療法です。
「あんま」は、古代インドで生まれ中国を経て、朝鮮から700年代(奈良時代)に日本へ入ってきました。
「マッサージ」は、ヨーロッパで発達し、フランスとドイツの書物で1890年代(明治中期)に日本に紹介されました。
「指圧」は、日本古来のものです。
故浪越徳治郎先生の指圧は、1930年代(昭和初期)にすでに全身指圧の基本操作は出来あがっていました。この浪越先生の指圧は、故マリリン・モンローや、モハメッド・アリ等、海外にもファンが多く、その効果の素晴らしさから世界中に広まりました。
但し、基本指圧の「圧し方」については基準がなかった為、圧す人個人個人の考え方が反映されて、複数の指圧師の指圧を受けた経験のある方の多くは、同じ指圧と言っても圧す人によって全然違うという体験をされたこともあるのではないでしょうか。
臨床の現場で故浪越徳治郎先生の指圧を受けた事のある人に、たまに出会う事があります。
筆者自身も勿論圧して頂いたことはあります。
受けた人の共通した感想は“痛い”とか“強い”という圧し方とは、ほど遠いソフトな優しい“圧し方”です。
力で圧す強い指圧、痛い指圧と違い、手指の力を抜いた圧し方は“圧(あつ)”の質が違うので、その効果も当然全く違う素晴らしいものです。
「指で圧す」という事は誰にでもできますが、「指の力を抜いて圧す」というのは大変難しい技術で、訓練しなくてはできません。
力を抜いて圧すからこそ“圧(あつ)”は深く浸透し、その効果は素晴らしいものになるのです。
浪越先生は「指圧療法と生理学」第二版(昭和29年12月発行)序の中で「私が指圧療法を始めて32年、此の間に得た経験と指圧技術の全てを此の際、本書に公開することにした。」ということで基本指圧を惜しげもなく公開されました。
全身の圧点や点数回数は覚えても、実際には“圧し方”ができないために、その修得は困難を極め、ごくわずかの先生方により伝えられてきているのが現状です。
鈴木先生によってこの手指の力を抜いて圧す“圧し方”の訓練法が開発されたことで技術の修得に向かうことができるようになったのは、この指圧を目指す私達にとって何より喜ばしいことです。
浪越先生の指圧は、大変素晴らしいものです。圧せるようになった人だけが、この素晴らしい世界を見ることが出来るのです。全員がこの指圧をできるようになりたいと、切に願います。
近い将来、力を抜いた圧し方の出来る指圧師がどのくらい多く出てくるか、それを想うだけでワクワクしてきませんか。
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